2014年の鉄鋼業界は、建設向け鋼材や、自動車をはじめとする製造業向けの鋼材が底打ちした。一方で中国経済の減速で、原料である鉄鉱石や石炭の価格は13年末に比べて7~8割の水準へ急落している。製鉄所の稼働率が急速に改善したことで新日鉄住金の名古屋製鉄所を含め各社で事故が多発したが、業績は回復傾向だ。

15年に注目を集めるのがJFEスチールのベトナム進出計画への最終判断だ。12年から台湾の義聯集団と製鉄所の建設を検討してきた。ただ総投資額が1兆円近くに達するうえ、中国産鋼材の供給過剰が続いたことから、採算が合わないと14年9月に建設を断念した経緯がある。

ところがベトナムで一貫製鉄所を建設中の台湾プラスチックから要請があり、出資を含めた提携を14年11月から模索している。台湾プラは化学メーカーであり、JFEに製鉄所の操業ノウハウの提供を求めているものとみられる。JFEにとって成長が期待できる東南アジアに橋頭保を築けるメリットがある。

建設中の製鉄所は15年後半以降に操業を開始する見通し。JFEは参画の可否について15年早々にも決断を下す必要がある。

一度はベトナムでの高炉建設をあきらめたJFE。同業への出資を通じて足場を築けるか(撮影:ヒラオカスタジオ)