ゼネコン業界が息を吹き返している。この好景気はいつまで続くのか。落とし穴はないのか。

東日本大震災の復興需要に加え、アベノミクスによる公共投資の復活で、建設業界への風向きは一変した。今後も、東京五輪、リニア中央新幹線といった巨大プロジェクトだけでなく、首都直下型地震への備え、国土強靭化、地方創生の名の下での老朽インフラの耐震・補強や更新などが想定され、大手ゼネコン幹部からは「五輪後も建設需要は急激には落ち込まない」と、強気の見通しが語られるようになっている。

東京外かく環状道路はビッグプロジェクトのひとつ(時事通信フォト/朝日航洋)

建設投資は1992年をピークに2010年にはほぼ半減し、それにつれて建設業で働く技能労働者も約3割減少した。特に若年層が大幅に減少し、現場での主な働き手が団塊世代になってしまった。

建設投資は10年のボトムから約2割増加したが、働き手の高齢化と減少は業界を揺るがす問題だ。仕事を取りたくても、取れない。「従前からの得意先であっても受注を断るような状態」(先の大手ゼネコン幹部)という。

人手不足は深刻だ。震災以降、建設現場では「型枠工」「鉄筋工」といった技能労働者が不足していた。さらに13年、14年になると、「とび職」「左官」「大工」「電気通信設備工事従事者」まで、ほぼすべての技能職で人手不足が顕在化した。

当然、建設業界の人件費は上昇。「バブルのときがピークで、震災前をボトムとすると、ほぼ6~7割ぐらいの水準まで上昇している」(ゼネコンの管理部門担当者)という。人件費高騰は建設コストに大きく跳ね返る。15年はこの傾向がさらに強まってくる。

これまでのゼネコン不況時には、赤字覚悟で受注して、その後に資材や下請けの人件費を業者と交渉し、かろうじて収支トントンという工事もあった。

「今は工事期間中の資材調達の手配はもちろん、下請けの人材・陣容まで前もって細かく配置を決めて、人件費は多少上昇を見込んで高めに設定し、見積もりを出す。それで受注できなかったら、あきらめて次の仕事を取りに行く」(ある大手ゼネコン)というのが普通になった。