円安の進行は日本人の海外旅行には逆風だった。日本政府観光局(JNTO)によれば、2014年1~10月の日本人海外旅行者数(累計)は1415万人と、前年同期比で3.1%減少。さらに旅行会社は現地で支払う経費が割高になり、苦戦した。一方、市場規模は小さいものの、円安やビザの緩和を背景に、訪日外国人は大幅に増えた。

訪日外国人は15年も増加傾向とみられ、国内のホテルは高稼働の状態が続きそうだ。つれて宿泊代金も上がるため、業績の見通しは明るい。

14年はザ・リッツ・カールトン京都やアンダーズ東京、アマン東京など外資系高級ホテルの開業が相次いだが、15年にもラグジュアリーコレクションホテル京都などの開業が予定されている。一風変わったところではハウステンボスが7月、ロボットを活用してコストを大幅に削減したホテルを園内に開業する計画だ。なお、20年の東京五輪までには星のや東京・プリンスホテル赤坂(16年)、ホテルオークラ東京の新本館(19年)など、開業が続々控えている。

旅行業界にもeコマースの波が押し寄せている。エクスペディアや楽天トラベル、じゃらん(リクルートが運営)などのサイトを経由したホテルやツアーの予約が急増している。高級ホテル・旅館に強い一休.Comも好調だ。こうしたサイトではさまざまな旅行・宿泊プランが作られ、料金設定も多様化している。

今後もこの傾向は続くとみられ、リアル店舗を持つ旅行代理店はサービスを強化して差別化を図る必要に迫られている。店頭では、インターネットでは調べにくい現地情報を積極的に提供するなど、接客の強化が図られそうだ。