2014年夏から急激に進行した原油安。石油元売り各社は備蓄している原油に関して一過性の在庫評価損を計上、業績の大幅な下方修正を余儀なくされた。

しかし業界にとって、原油安は一時的なショックにすぎない。より根深い問題は、構造的な内需減退だ。人口減少や自動車の省エネ化などを背景に需要は長期的に漸減。ガソリンなど石油製品の国内需要は、ピークだった1999年度の2.46億キロリットルから13年度の1.79億キロリットルへと約3割減少している。元売り各社は14年3月末が期限のエネルギー供給構造高度化法への対応として、製油能力を相次いで削減している。

国内最大級の精製能力を持つJXの根岸製油所も削減を続ける(撮影:今 祥雄)

15年も需要減退が続くのは必至だ。原油安でガソリンなどの小売価格が下がり消費が喚起される余地はあるが、それとて需要減のスピードをやや緩める程度の効果しかないだろう。

この流れのシワ寄せを受けるのは、ガソリンスタンド(SS)になりそうだ。一部の元売りは14年にガソリンの仕切り(卸)価格の算定方式を自社に有利な形に変更し利ザヤ改善を進めた。その結果、SSの経営環境は一段と厳しくなっている。流通系や商社系など系列外SSとの価格競争も激化しており、過去10年で3割減少したSSはさらなる縮小が避けられないだろう。

本業の石油事業の成長が望めない中、石油業界の成長のカギを握るのは再生エネルギー事業だ。コスモ石油が次々に新規風力発電所を稼働させるほか、東燃ゼネラル石油がバイオマス発電に新たに出資するなど各社熱を入れている。業界最大手のJXホールディングスはSSに併設する形で水素ステーションを15年度中に40カ所設置する。燃料電池車の本格的な立ち上がりを見据え、ポストガソリンの新規事業に投資を続ける。