東京オリンピックが終わったら地価はどうなるのかを『日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機』の著者・三浦展氏に聞いた。

みうら・あつし●1958年生まれ。一橋大学卒業、パルコ入社。『アクロス』編集長を務めた後、三菱総合研究所を経てカルチャースタディーズ研究所を設立。(撮影:今井康一)

──2020年にオリンピックが東京で開催されます。

日本全体は衰退していくとしても、東京だけは生き残るだろう、いや、生き残らなければならないという主張があります。それは正しいのでしょう。

しかし生き残りのためにオリンピックが20年に開催されることが意味を持つかというと、あまり持たないと思います。すでに日本も東京も成熟期に入っており、巨額な投資をしても、オリンピックが日本全体の経済を浮揚させる効果はあまり期待できないからです。むしろオリンピック後の施設維持負担が重くのしかかる危険性が高いでしょう。

──前回の東京オリンピックと今回とでは何が決定的に違うのでしょうか。

1964年の東京オリンピックの前には、東京には中学校を出たばかりの団塊世代がたくさん日本中から集まってきました。そのため55年に409万人だった生産年齢人口(15~64歳)は65年には818万人に増えました。このときの現役世代負担率(生産年齢人口1人に対する老年人口の割合)はなんとわずかに0.057でした。

しかし20年の東京オリンピック前後を見ると、10年の生産年齢人口は899万人ですが、40年は713万人です。逆に65歳以上は268万人から412万人に増え、40年の現役世代負担率は0.578になります。

つまり、65年の0.057から10倍です。64年の東京オリンピックから56年後の東京は、すっかり超高齢社会になるのです。何もしなければ地価下落は免れない