世論調査では「軽減税率導入に賛成」との意見が多い(撮影:梅谷秀司)

安倍政権は成長戦略や選挙公約の中で「数年で法人税の実効税率を20%台まで引き下げる」とした。

減税財源の問題から減税は難航すると当初みられていたが、自民党税制調査会幹部でもあった宮沢洋一・経済産業相が11月に「(初年度の引き下げ幅は)2.5%以上を目指す」と発言すると、減税の潮目が変わった。法人税改革の初年度となる2015年度税制改正は、宮沢発言どおりに着地する可能性が出てきた。

14年12月に入り、税率引き下げにとって最大のハードルである財源確保作業にほぼメドが立ちつつある。住民税や固定資産税など、ほかの税目に財源を求めることなく、法人税の中だけで税率引き下げの財源を確保できそうだ。

最大の財源は、地方税である法人事業税の外形標準課税(付加価値割と資本割)の割合を拡大すること。外形標準課税の拡大は、経済界が「賃金や雇用を増やすと増税になる。雇用の維持、創出に悪影響となり、安倍政権の進める所得拡大の方向性にも逆行する」と批判していた。しかし、増税分は税額控除で戻し、増税となる企業の負担を軽減する方向で検討が進められている。

さらに、欠損金の繰り越し控除制度や租税特別措置、受取配当益金不算入制度なども税率引き下げの財源候補に挙がっている。

こうした法人減税案が盛り込まれる15年度税制改正は、衆議院解散によって例年と異なる窮屈なスケジュールで決定されることになる。だが、遅くとも1月9日までには与党税制大綱が決まりそうだ。