BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国)など時の有望新興国に愛称をつけ、その成長の果実を追うロンドン在住の著名投資家、ジム・オニール氏に新興国の未来を聞いた。

Jim O’Neill●1957年生まれ。95年ゴールドマン・サックス入社。2001年BRICsリポート発表。10年ゴールドマン・サックス・アセットマネジメント会長(13年退職)。

──名付け親として現在のBRICsをどう見ていますか。ロシアはゼロ成長に陥り、中国は、高成長路線から安定成長路線に舵を切っているように見えます。

多くの人たちが中国を悲観的に見ているようですが、実際ははるかに好調です。成長率低下は意図的なものであり、(政策の)誤りや外的要因によるものではありません。

現在の中国は、国有投資会社の重要度を下げ、住宅価格上昇を抑え、賃上げにより低付加価値製品の輸出国としての機能を低下させ、ガバナンス・汚職防止の水準向上を目指しています。

これは成長の規模より質の高さを求めている証拠です。それでも成長率は年7%台前半と高水準なのです。それなのに「期待外れ」と言う人たちのほうがクレイジーでしょう。

一方で、ロシアはあまり芳しくありません。まず、コモディティ(資源)への依存度が高すぎます。次に、主要資源である原油の価格が急落しています。最後に、企業ガバナンスがお粗末すぎます。これにウクライナ問題が加わり、状況はさらに悪くなっています。

──2050年に新興国が世界のGDP(国内総生産)に占める割合の予測は最近、下方修正されています。それでもなお、新興国は世界経済のエンジンといえるでしょうか。

もちろんです。その代表である中国の経済力は、他のBRICs3国の総計の1・5倍。独仏伊を合わせたものより多いのです。インドやインドネシア、フィリピン、アフリカの一部では成長率が加速しています。

メキシコ、インドネシアナイジェリアが有望