「99%対1%」を合言葉にニューヨークで生まれ、全米を席巻した反格差デモから丸3年。ソーシャルメディアによる仕掛け人カレ・ラースン氏が成長神話を斬る。

Kalle Lasn●1942年3月生まれ。商業広告撲滅を目指すカナダ『アドバスターズ』誌の共同創刊者・編集者。「ウォール街を占拠せよ」の仕掛け人。バンクーバー在住。(Adbusters Media Foundation)

──「ウォール街を占拠せよ」運動は、2014年9月17日で3周年を迎えました。なぜあれほど大きな運動になったのでしょうか。仕掛け人としての分析は?

若者は絶望感を募らせており、未来への希望が薄れています。気候変動や不安定な世界経済など、今、立ち上がらなければ未来はないと感じています。その思いが占拠運動を生みました。香港では「中環を占拠せよ」運動が起こるなど、若者は今も怒っています。占拠運動は、世界の若者たちがソーシャルメディアを駆使して立ち上がる方法を学び、信念のために闘うという長期的プロセスにおける最初の小さな一歩だったのかもしれません。

──運動は、政治的な賛同を得たり、米国を変えたりする動きにはならなかったという声もあります。具体的な成果を残せたと思いますか。

そうした批判者には知的欠陥があります。明確な課題を持ち、政党のごとく組織を運営し、目的をはっきりさせるべきだと言う人たちは、変化はもっと深いレベルで起こるものだということをわかっていません。私たちは、現(政治経済)システム内での活動を目指しているわけではないのです。現システムは破綻しています。世界2000カ所近い場所で占拠が起こり、若者たちが立ち上がりました。「99%対1%」というスローガンも生まれ、不平等がいかに破壊的なものかを全世界が考えるに至りました。私たちは、非常に急進的で新しい政治手法のきっかけを生み出したのです。

景気回復で潤ったのはトップの1%だけ

──米国では失業率が改善され、表面的には景気回復したように見えます。運動は憂さ晴らしだった?