消費者物価上昇率「2%」を「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」として、量的・質的金融緩和を導入した日本銀行の黒田東彦総裁。2015年4月でちょうど2年だが、ここでの達成はまず無理。本誌のエコノミスト調査によると15年暦年で2%に到達すると予想するのは25人中わずか1人。大半は1%台前半で、1%以下が8人もいる。

14年10月の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は2.9%。消費増税による押し上げ影響(日銀試算で2%)を除くと0.9%にとどまる。日銀の目標の半分にも届いていないのが現状だ。

しかも上昇率は14年5月をピークに低下してきている(下図の青い線)。エネルギー(電気、都市ガス、灯油、ガソリンなど)価格の上昇幅が縮小してきたためだ。

ガソリンの店頭価格(レギュラー、全国平均、1リットル当たり)は14年5月に160円台後半に乗せ7月14日には169.9円をつけた。が、その後反落し、12月8日には155.3円まで下がっている。電気料金もLNG(液化天然ガス)の輸入価格下落などで電力10社すべてが10月まで4カ月連続の値下げ。ガス料金値下げも続いている。

しかも、エネルギー価格は、今後も弱含みする可能性が高い。

11月27日、OPEC(石油輸出国機構)総会は、原油の減産を見送る方針を明らかにした。その後、原油価格は急落。WTIでは12月8日の時間外取引で期近物としてほぼ5年4カ月ぶりの安値をつけるほどに下落している。「OPECの決定は、日銀の強気の物価シナリオにとって強い逆風」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)となっている。

頼みは円安 外食、食品で値上げ