2015年はエネルギー価格低下の恩恵を受けられそうだ。アジア市場の指標となるドバイ原油先物相場は、11年から約3年半、1バレル=100~110ドルの高値安定が続いていたが、14年夏から下落に転じた。12月12日時点で60ドルまで落ち込み、ピーク時の6月から実に約4割も値を下げた。

背景にあるのは需給構造の変化だ。供給国での地政学リスクが後退し、リビアやイラクなどが増産。米国もシェールオイルの開発を続けるなど供給が増える一方で、ブラジルや中国など新興国の成長減速で需要の伸びが鈍化している。米国のQE(量的緩和)3の終了や利上げ観測も、原油先物への投機マネーを後退させた。

15年も原油価格は軟調傾向が続きそうだ。11月に開催されたOPEC(石油輸出国機構)総会では、従来需給の調整役を果たしてきたサウジアラビアがほかのOPEC諸国を押し切り、減産見送りの姿勢を鮮明にしている。「サウジと米国産シェールとのシェア争いが続けば、原油価格の長期低迷が続く」(藤井英彦・日本総合研究所理事)との見方が強い。

原油安はエネルギー消費国である日本にとっては大きな追い風だ。ガソリンやジェット燃料など輸送コストの低下が進むうえ、間接的には新興国への景気浮揚効果により製造業での輸出増も期待される。

「交易条件の悪化を防ぎ、国民の所得の海外流出を減少させるという点で大きなプラス」(竹内淳・日本経済研究センター主任研究員)となる。

LNG価格低下で電気料金も引き下げ