相場格言に従えば、「未年は辛抱」。だが、2015年の日本株をめぐっては強気の見通しが優勢だ。日経平均株価の2万円台乗せを予想する市場関係者も少なくない。

最大の注目材料は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の舵取りや同国株式の行方だろう。

FRBが利上げに踏み切った場合、「世界の株式が最大で10%程度は下落することを想定している」(岡三証券の石黒英之・日本株式戦略グループ長)。それでも、「クラッシュにはつながらない」(同)との楽観論が市場を覆う。

というのは、FRBが引き締めのスタンスに転じたとしても日本銀行と欧州中央銀行(ECB)は金融緩和政策を続けるのが確実で、カネ余り状態に大きな変化はないとみられるからだ。「過剰流動性が米国の長期国債に向かい、同金利の上昇を抑える」という構図である。

16年3月期の企業業績に対する強気の見方が多いのも、株価の先高期待を強める一因だ。日銀による10月の追加金融緩和をきっかけにした円安の進行が収益の押し上げに寄与しそうだ。

石黒氏は「1円円安ドル高に振れると経常利益を0.6%押し上げる」と指摘する。14年4月以降のドル・円相場の平均値は現時点で1ドル=105円台。これが16年3月期に120円になると、約9%の経常増益要因となる計算だ。

しかも、為替市場では15年に125~130円程度までの円安進行を見込む参加者が多い。15年10月に実施予定だった消費増税の先送りによる景気刺激効果も勘案すれば、16年3月期は2ケタ増益が視野に入る。

需給面では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の上場投資信託(ETF)買いが相場を下支えしそうだ。下グラフは今年に入ってからの日経平均株価と信託銀行の売買金額の推移を示したもの。株価の下落局面で信託銀行の買いが膨らんでいる。GPIFの運用資金流入が相場を押し上げた可能性が高い。