たつた・かずと●2012年から福島第1原発の作業員として働く。この経験を基にした漫画『いちえふ』が、「モーニング」(講談社)の新人賞を受賞した。(撮影:今井康一)

福島第1原発(以下、1F(いちえふ))で働き、放射線量が年間上限を超えると首都圏の自宅に帰ってきて漫画を描く生活を始めて2年が経った。この間に1Fの風景は様変わりした。まず、殺風景になった。汚染水タンクを置く場所や作業場を確保するために、木を切っているからだ。樹木が生い茂っていた「野鳥の森」はもはや森ではないが、東日本大震災前から働いている人はその場所をいまだに「野鳥の森」と呼んでいる。2014年夏ごろから1Fで女性の姿を見かけるようにもなった。東京電力職員や取材記者で、免震棟や中央操作室に出入りしている。

ある外国人女性記者は、日本の作業員が脱いだ防護服、靴下をきちんと分別することに驚いていた。原発事故の収束作業をするうえで、日本人の几帳面さがプラスに働いている。

収束作業は2年前に思っていたよりも進んでいるという印象。3号機の鉄骨撤去、4号機建屋へのカバー装着は2年前には考えられなかったことだ。1Fの前の国道6号線もこんなに早く車で通れるようになると思わなかった。かかわっている人が頑張っているからここまで来た。素直にご苦労さま、という気持ちだ。