叱っても人は育たないが叱る側はドーパミン噴出 臨床心理士 村中直人氏に聞く

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むらなか・なおと 1977年生まれ。臨床心理士・公認心理師。一般社団法人子ども・青少年育成支援協会代表理事。Neurodiversity at Work株式会社代表取締役。人の神経学的な多様性に着目、脳・神経由来の異文化相互理解の促進、学び方の多様性が尊重される社会を目指して活動中。
〈叱る依存〉がとまらない
〈叱る依存〉がとまらない(村中直人 著/紀伊国屋書店/1760円/205ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

自分の子どもや部下のミスを叱らずにいられないあなた。「叱る依存」かも。

「叱らずにいられない」は依存、難しくても「手放す」必要

──臨床心理士でなければたどり着きにくい仮説ですね。

長年、発達障害と呼ばれる人たちの支援活動や支援者養成に関わってきました。発達障害の子はものすごく叱られるんです、保護者はもちろん教員、支援職の人間からも。現場は「叱る」から逃れられません。

そんな中で、「怒っちゃダメだけど、叱ることは必要」のような通説に違和感を持つようになった。「叱る」は相手のためというけれど、何の役にも立っていないどころか事態を悪化させている。

──そこに脳神経科学が加わって。

発達障害の人は大多数の人と比べ脳や神経に違いがある。どう違うのかを知りたくて、ここ10年くらいは脳・神経科学や認知科学を勉強していました。

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