アマゾンが頼る「物流の黒子」が同業を買う必然 アマゾンとのパイプ強化を狙うがリスクも

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15
拡大
縮小

ともに「アマゾン銘柄」と位置づけられる物流企業の丸和運輸機関がファイズHDを子会社化へ。どんな思惑を秘めているのか。

アマゾンの物流を請け負う企業の間で、新たな統合の動きが出てきている(撮影:尾形文繁)

特集「EC物流狂騒曲」の他の記事を読む

EC(ネット通販)の巨人、アマゾン。その物流を支える黒子企業の間で、異色の統合が行われる見通しとなった。

2月18日、3PL(物流の一括受託)を手がける埼玉地盤の丸和運輸機関は、大阪の中堅物流会社・ファイズホールディングス(HD)をTOB(株式公開買い付け)で子会社化すると発表した。3月22日までに株式の60%を上限に、1株670円で買い付ける。今回のTOBで丸和運輸機関は約43億円を投じるという。

ファイズHDは、京都の人材派遣会社であるヴィ企画の3PL部門が独立するかたちで2013年に設立された。アマゾンを主要顧客とした倉庫内作業の代行などで事業を拡大し、株式市場では典型的な「アマゾン関連銘柄」に位置づけられている。

現在もアマゾンから、埼玉県川口市や千葉県流山市などにある大型物流センターでの運営業務を中心に受託している。ファイズHDの前期売上高129億円のうち、実に7割弱がアマゾンジャパン向けの売り上げだ。

“上流”でアマゾンと取引広げたい

丸和運輸機関が買収で狙うのは、まさにそうした物流センター関連の領域におけるアマゾンとのパイプの強化だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
EC物流狂騒曲
ヤフーの出店者が驚いたヤマトの格安配送
破格の配送料金に中小の物流業者は困惑
ヤマトの「サクセスストーリー」に残る懸念
過去最高益を更新し自信を深める
“ヤマトと心中"ヤフーのEC責任者が激白
物流強化でアマゾン、楽天を追撃
楽天とのタッグに透ける日本郵便の焦り
「万年3番手」を返上できるか
アマゾン「物流のドン」退任が招く波紋
物流の自前化で「脱ヤマト依存」が加速
楽天、物流事業で浮上した運送会社との訴訟問題
自前物流網の強化を急いだが、またも空振りに
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
協業の狙いはクール便の配送以外にもある
「脱・大手」の兆し?新興サービス相次ぐ宅配大混戦
3PL大手や中小運送会社が独自配送網を構築
M&Aを連発!「物流の革命児」が宅配強化の思惑
中小運送会社も続々買収、業界再編で台風の目
全国データでわかる「宅配争奪戦」の現在地
愛知は軽貨物の事業者が4年で5割近く増加
アマゾンで格安配送、ヤマトの攻勢が止まらない
同業他社からは「いずれ限界が来る」との声も
再配達防ぐ!マンション「置き配問題」解決の鍵
デベロッパーや、宅配大手、アマゾンも熱視線
メルカリが「物流」で猛攻、新会社立ち上げの必然
業界のベテランを幹部に招聘、配送代行にも本腰
「物流を科学する」メルカリ新会社キーマンの野望
ヤマト・アマゾン出身、業界のベテランに直撃
アマゾンが頼る「物流の黒子」が同業を買う必然
アマゾンとのパイプ強化を狙うがリスクも
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内