「船で通勤」を東京で当たり前にするための条件 高額な運賃、係留の維持管理コスト低減が課題

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東京の水辺活性化策のカギの1つは、通勤利用をどこまで拡大できるか。欧州の水辺開発に詳しい専門家は「鉄道並みの運賃とインフラ整備が重要」と訴える。

屋形船は東京が世界に誇る文化だ(記者撮影)

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日本橋川や神田川など、東京都内の水辺再生プロジェクトに行政やデベロッパーが力を注ぐ割に、水辺や舟運観光はいまひとつ盛り上がりに欠けている。なぜ、東京の水辺は活性化しないのか。
海外の水辺再生プロジェクトに詳しく、各地で水辺活性化に向けたワークショップを手がける水辺総研を立ち上げた建築家、岩本唯史氏に「水都再生」の課題を聞いた。

公共の場所の使い方は欧州が先行

――岩本さんが水辺再生に取り組んだきっかけは何だったのですか。

2000年から1年間、ドイツのバウハウス大学に留学経験があった。日本の建築やデザイン、意匠のレベルはヨーロッパに引けを取らないことがわかった。

ところが、公共の場所の使い方の工夫では日本はヨーロッパに圧倒的に劣っている。そこを豊かなものにできないかと感じながら日本に帰ってきた。

日本で、水辺は使われていない場所だ。日本で水辺を使おうとすると、お上がだめだというに違いないと忖度をしてしまう。この状況を変えるため、ワークショップなどの活動を通して水辺を活性化したいと思い、水辺総研を立ち上げた。

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