ギンザシックス、年末売り上げ「過去最高」の真相 1年前のテナント大量閉店報道にある"誤解"

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

「ギンザシックスで大量閉店」との報道から1年。運営会社のトップが東洋経済の取材に応じた。インバウンド消費の象徴とも言われた施設の現在の姿は。

きらびやかな外観が目を引くギンザシックス。運営会社の柚木和代社長によると「特別にインバウンド狙いでテナントのリーシングをしたことは一度もない」という(記者撮影)

特集「インバウンドは死んだのか」の他の記事を読む

「2021年12月は、単月としてオープン以来最高の売り上げだった。これであの報道に対して答えを示せたと思う」

東京・銀座の複合商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」を運営するGINZA SIXリテールマネジメントの柚木和代社長は、そう強調する。

“あの報道”とは、2021年1月にあるウェブメディアに掲載された記事のこと。「銀座最大級の商業施設『ギンザシックス』で大量閉店」との見出しで、テナント14店がコロナ禍で一斉に撤退したと報じた。大手メディアも後追いし、SNSなどでも話題になった。

当時、SNS上や小売業界関係者の間では「インバウンド狙いがあだとなった」「インバウンドの売り上げ比率が大きいブランドを入れ替えたのだろう」との臆測が飛び交った。

20代の高所得層の顧客が拡大

運営会社はその直後、2017年4月の開業以来初の大規模リニューアルとして、テナント約40店舗を2021年春までに順次入れ替えると発表した。

“大量閉店”自体は事実だが、4年間の契約だった多数のテナントが契約満了を迎えたタイミングで、従来計画していたテナントの入れ替えであると同社は説明。広報担当者は「コロナ禍の影響によるものではない」と、報道の火消しに追われた。

実際、ギンザシックスの売り上げは2021年度の前半まで苦戦が続いていた。

次ページ訪日客を狙ったことはない
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内