大成建設が建設した新国立競技場(2019年11月竣工、撮影:今井康一)
ゼネコンを取り巻く経営環境が厳しさを増している。
工事の大型化に伴って受注採算は低下し、都心部再開発案件や物流施設などでは受注競争が激化している。さらに、若者は建設業界を敬遠し、今後は少子高齢化を背景に、建設市場の新築工事が先細りする懸念もある。
スーパーゼネコン・大成建設の山内隆司会長は、建設業界を代表する業界団体である日本建設業連合会(日建連)の会長を2017年から2021年まで務め、今でも業界の「重鎮」としてその発言が業界に大きな影響を与える。
山内会長は「(ダーウィンの法則のように、経営規模が)大きいから生き残れるわけではない。建設業界も今後、環境の変化に適応しないと生き残れない」と話した。

「追い風」は2回しか吹かなかった

――国内建設市場では受注競争が一層厳しくなっています。

私が建設業界に従事してから50年以上経っているが、その間に、フォローの風が吹いて仕事が潤沢にあった時期は2回しかない。1回目は(1980年代後半の)バブルのとき、もう1回は(2015年から2019年ごろにかけて)東京五輪の特需に沸いたときだ。

それ以外の期間はずっと、建設業にとって冬の時代だった。過当競争がきつく、建設業界は低い利益水準にあえいできた。

足元の受注競争が厳しくなっているのは、業界が「元の状態に戻っただけ」とも言える。この厳しい時代にどうやって生き残るのか、業界全体で考えていかないといけない。社内でも、「この先の環境を見据えて対応してくれ」と言っている。