「鉄鋼の価格を抑えたシェア拡大戦略は取らない」 柿木厚司 ジェイ エフ イー ホールディングス 社長

✎ 1〜 ✎ 203 ✎ 204 ✎ 205 ✎ 最新
拡大
縮小
かきぎ・こうじ 1953年生まれ。77年東京大学経済学部卒業、川崎製鉄(2003年にNKKと統合されJFEスチール)入社。12年JFEスチール副社長、15年同社社長、19年から現職。(撮影:ヒダキトモコ)
鉄鋼業界が好業績に沸いている。日本製鉄に次ぐ国内2位のジェイ エフ イー(JFE)ホールディングスは2期連続最終赤字から一転、2021年度は2500億円の最終利益を見込む。目覚ましい復活は本物か。先行きのリスクをどうみるか。柿木厚司社長に聞いた。

PBR(株価純資産倍率)

業績急回復でも株価は解散価値を大きく割り込んでいる。株式市場は市況の反落や脱炭素の負担を懸念しているようだ。

──業績は絶好調ですが。

よくなった要因の1つは、国内でとくに製造業のコロナ禍からの回復が非常に早かったこと。もう1つは中国だ。これまでは中国が輸出を増やし、東南アジアの市況が乱れることがあった。だが、21年半ばから中国で内需が増えてきたことや、環境対策などから政策的に輸出が抑えられたことで、海外市場が安定した。

──足元は中国経済が減速気味で、自動車を中心に半導体不足の影響も長引いています。

中国の内需に不安はある。中国からの輸出が少し出てきて、海外市況が多少下がるリスクがある。ただ、事業環境に大きな変化はないと考えている。あえて言えば、非常に高い今の水準より1段か2段下がることはあるだろう。

──日本に起因するリスクは?

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内