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「トイレはナノで進化できる 快適な生活は世界の要請だ」 清田徳明 TOTO 社長

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きよた・のりあき 1961年福岡県生まれ。長崎大学経済学部卒業後、84年東陶機器(現TOTO)入社。国際事業部長、ウォシュレット生産本部長、専務執行役員などを経て、2016年副社長。20年から現職。(写真:TOTO)
コロナ禍の衛生需要を受け、TOTOの業績が好調だ。部品調達先のロックダウンで生じた納期遅れの一方で、リフォーム事業に力を入れ、悲願だったキッチン・洗面部門の黒字化も達成した。国連のSDGs(持続可能な開発目標)で衛生的なトイレの普及が掲げられ、追い風を受ける中、世界戦略をどう展開するか。清田徳明社長に聞いた。

2030年度商品使用時 水削減量目標(05年度比)

1975年以前は1回に流れるトイレの水量は20リットルだったが今では3.8リットル。新しい節水商品を売ることが水削減に直結する。

──2021年9月にウォシュレットの一部商品で納期遅れが発生、住宅関連業界にも影響が広がりました。何が起こっていましたか。

ベトナムで調達していた日本向け商品の部品がロックダウンで入らなくなった。もともと中国とベトナムから調達していた部品だが、中国のロックダウンで一時的に全量をベトナムからの調達に切り替えていたところに、直撃を受けた。日本で調達する予定もあったが、間に合わなかった。

どこのメーカーも同じだと思うが、半導体や樹脂、鋼板、銅も調達しにくくなっている。これまで調達物が間違いなく入る前提でやってきたが、サプライチェーン(供給網)が至る所で分断されてきた。在庫を減らして(製造の)リードタイムを減らせばいい、という状況は様変わりしている。

今回のことが起きる前から、サプライチェーン本部で調達の複数国化、在庫水準の引き上げを検討していた。在庫はどの部品をどのタイミングでどれだけ持つか、一つひとつ検討を進めている。これは全社的に取り組まなければならない課題だ。

──SDGsの目標6では「安全な水とトイレを世界中に」と掲げられています。商品を売れば社会的貢献になるという構図です。

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