三井住友フィナンシャルグループの太田社長は、さらなる出資や買収の可能性について否定しなかった(撮影:尾形文繁)
低金利による収益低下やデジタル化で銀行業界は大きな変革期を迎えている。
そうした中、海外金融機関への出資や新たな収益源獲得に向けた動きを加速させているのが三井住友フィナンシャルグループ(FG)だ。
太田社長は新たな取り組みの狙いと共に、GAFAに対しては「負けているところがあまりない」とも語った。

──2020年を振り返って、新型コロナウイルスが企業の経営にどんな影響を与えたとみていますか。

コロナの影響は残っている。やはり「K字型」になっていて、業種によってずいぶんと差が出てきた。

よくなった業種は新型コロナ対応で行った融資も返済して、通常モードに近づいている。逆に影響が残っている業種は借り入れが残っていて、過剰債務の状況にある。とくに対面型のサービス業はダメージが残っているし、苦労している。

少し巡航速度に戻り始めた製造業は、グローバルなサプライチェーンの分断で部品や原材料が不足して、需要が戻ってきても供給サイドが追いつかないという問題がある。そういう意味ではコロナ影響はまだ残る。オミクロン株のようなものも出てきたので、先行きは不透明だ。

次のステップを考えるべき

──融資で支援をする中で、倒産せずに残ったゾンビ企業が増えているという指摘もあります。

存続できる可能性のある企業、何らかの手を打てばまだ生きていける企業はサポートしていきたいと思うし、そうすることが金融機関の責務だ。

一方で延命しているだけの企業は、次のステップを考えたほうがいい。そうした企業をどう整理しながら、産業の新陳代謝を高めていくかについては考えなくてはいけない。

あくまでも個社の状況に応じてだが、対話をしながら、顧客の意向や状況を見ながら対応をしていく。

──ここまでは融資による支援が中心でしたが、今後は事業再生やコンサルティングを求められますね。

事業再生は大きなテーマの1つだ。コロナを受けて、(2021年4月に)事業再生専門の会社を設立し、経験のある人材を集めた。現時点では、当初想定していたほど、再生の案件は出てきていない。ただ、今後そうした案件が増えてくる可能性は十分ある。それも見据えながら体制は整えておきたい。人員も維持する。