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森トラスト「選ばれるホテル」を生み出す秘訣 伊達社長「ホテル需要は消えない」

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コロナ禍でかつてない逆風が吹きつけたホテル業界。需要が減る中でもやれることはあるという。

森トラストの伊達社長は「(コロナの逆風下で)試行錯誤して今までにないような商品にトライしてきた」と話した(撮影:今井康一)

特集「トップが語る大予測2022年」の他の記事を読む

コロナ禍で未曽有の不況に陥ったホテル業界。2021年の宿泊需要は最悪期を脱したように見えるが、本格回復にはほど遠い状況だ。
そうした中、顧客のニーズはどう変化しているのか。各社は2022年のシナリオをどう見通して経営を進めるのか。「マリオット」など外資系ホテルを軸に運営する不動産デベロッパー・森トラストの伊達美和子社長に聞いた。

 

――コロナ禍ではどんなニーズがありましたか?

密を回避して自然の中で開放的に過ごせる、客室も広めでゆっくりしたいといったニーズがファミリーやカップルにあった。コロナ以前から増やしていた温泉付きの客室も人気だった。

外食しにくい中、ホテルで安心して贅沢な食事を楽しみたいというニーズもあった。部屋食のプランはホテルでは難しいと思っていたが、新しい商品として何とか提供できた。ペットと一緒に泊まれる客室の稼働も良好だった。

厳しかったのはビジネス需要が中心のシティホテル。国内外で出張が減り、宴会もなかった。昨年のGo To トラベルで多少動きもあったが、多くのイベントが延期になったことで、そうした需要を取り込むことも難しかった。

――ワーケーションなど、コロナ前にはなかった新たな取り組みも増えました。

ホテルの客室はあまりデスクワークに向いていない。ベッドを外してワークスペースを確保したり、ラウンジやレストラン、共用部の空間も活用するなどして環境を整えた。バリバリ仕事をするだけなら机を貸し出すだけでいい。でもリフレッシュもしたいだろうと。どんなものを提供しようかと考えて、提案することの繰り返しだった。

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