有料会員限定

JR東「ダイヤ改正&オフピーク」で狙うコロナ後 深澤社長が語る巨額赤字からの脱却戦略

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

コロナ禍が直撃し、2期連続の赤字が濃厚なJR東日本。この難局をダイヤ改正やオフピーク通勤へのシフトによって乗り切ろうとしている。深澤祐二社長に聞いた。

JR東日本の深澤祐二社長は「オフピーク通勤への移行を加速させたい」と語る(撮影:尾形文繁)

特集「トップが語る大予測2022年」の他の記事を読む

新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道旅客収入は大きく減少し、JR東日本の2021年3月期決算は5779億円の最終赤字となった。
2022年3月期は当初、黒字への復活を期していたが、コロナ禍のピークダウンが想定よりも遅れ、2期連続の最終赤字となりそうだ。この難局をどう乗り切るのか。JR東日本の深澤祐二社長に聞いた。

2022年もコロナ禍に左右される

――2期連続の最終赤字が見込まれています。2023年3月期の黒字復活は可能なのでしょうか。

2021年4~9月期は非常に厳しい結果に終わった。10月以降の鉄道旅客は回復傾向にあるが、それでもコロナ禍前と比べると近距離で8割、中長距離で6割くらいしか戻っていない。

コロナ禍に左右されるという状況は2023年3月期も変わらないだろう。ただ、3回目のワクチン接種も始まるので、感染者の急増で旅客需要が大きく落ち込んだ2021年8~9月のような状況にはならないと思う。

コロナ禍で大きな赤字が出て、固定費率が非常に高いという鉄道事業の弱点が露呈した。今後はコスト構造をもっと柔軟にしていく。旅客の増減に合わせて運行ダイヤを柔軟に設定できるようにしたい。

次ページオフピーク通勤へシフト
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
トップが語る大予測2022年
室蘭市と連携して浮体式の洋上風力発電を開発
住友林業社長が警鐘、国内林業の深刻な実態
堀社長が語る今後のエネルギー投資の進め方
伊達社長「ホテル需要は消えない」
コロナが「何を守り、変えるか」の判断を促した
太田社長は金融グループ「2つの強み」を強調
深澤社長が語る巨額赤字からの脱却戦略
鈴木社長「アメリカでの戦闘態勢は整っている」
山口社長は増産投資に加え工場新設も示唆
村田社長「取引先と一緒に再生することが第一」
モスバーガー、社長も手応え感じた「成長の秘策」
ニューノーマル見据えて新たな店舗形態を準備
日立、「コングロマリット限界説」に新社長が反論
大谷選手のような「二刀流」を目指したい
花王が追求する「日用品だけに頼らない」生き方
長谷部社長「ライフケアカンパニーを目指す」
マンダムが「不文律」を壊して挑む新ブランドの形
創業家の西村社長「ギャツビーに甘えていた」
野村HD「ビジネスモデル変革」へ問われる覚悟
奥田社長「存在意義含め10年後を議論している」
三菱UFJが模索する「金融サービス」発想の転換
亀澤社長「誰と組んで、どうやるかが重要」
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内