金融庁の行政処分を受けて引責辞任を発表したみずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(左から2人目)ら(撮影:尾形文繁)

「取引相手にみずほの出身ですと言うのが、もはや恥ずかしくてね。マイナスの印象しか与えないし、本当に参りました」

そう言って深いため息をつくのは、みずほフィナンシャルグループ(FG)の元役員だ。

40年近くにわたって汗を流した会社に恥ずかしさを覚え、口に出すのも憚られるというのは、何ともやり切れない話だ。ただ、そうした心情に陥るのも無理がないと思えるほど悲惨な状況にあり、外部から厳しい目を向けられているのが今のみずほだ。

金融庁が「経営者失格」の烙印

「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」

「自浄作用が十分に機能しているとは認められない」

「社会インフラの一翼を担う金融機関としての役割を十分に果たせなかったのみならず、日本の決済システムに対する信頼性を損ねた」

これは、度重なるシステム障害を引き起こしたみずほに対して、金融庁が行政処分の文書の中で盛り込んだ文言だ。メガバンクとしての体を成していないと言わんばかりの辛辣な表現が、文中には幾度となく登場する。行政文書としては異例のことであり、監督官庁の憤りが手に取るように伝わってくる。

中でも金融庁が行政処分を通じて厳しく指弾したのは、ガバナンス上の問題だ。