銀座の商業ビル、賃料が「過去最高」に迫る裏側 月額坪40万、コロナ禍でも高級ブランドが出店

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東京・銀座の商業ビルで建て替えや賃料をめぐる大きな動きが出てきた。日本を代表する商業地でいったい何が起きているのか。

往時のにぎわいを取り戻せていない中でも、開発は淡々と進む(記者撮影)

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日本を代表する商業地、東京・銀座。その中心部に立つ商業ビルが建て替えへと動き出した。

場所は銀座6丁目、大型商業施設「ギンザシックス」の向かいに立つ地上8階建ての「銀座AKビル」。旧ビル名は「不二家銀座ビル」で、2017年11月に不二家が1坪2億円超という価格で売却したことが話題となった。

東洋経済が入手した開発計画の概要書によれば、両隣の「クロサワビル」および「銀座小坂ビル」を合わせた3棟を一体で地上13階建ての商業ビルに建て替える。テナント退去のメドはついているもようで、2022年に既存建物の解体に着手。新ビルは2025年に竣工を迎える予定だ。

写真中央のサンドラッグが入居するビルが銀座AKビル(旧不二家銀座ビル)。右隣の「クロサワビル」および左隣の「銀座小坂ビル」と一体で建て替えられる(記者撮影)

不動産登記上では、銀座AKビルおよび銀座小坂ビルはみずほ信託銀行に信託受益権が設定されており、3棟の建て替えも同行が事業主となっている。東洋経済の取材に、みずほ信託銀行の広報担当者は「個別の取引については回答を差し控える」とした。

「表向きはみずほ信託銀行が権利を持っているが、登記簿上に名前を出したくない真のビルオーナーがいる」(建て替えの経緯を知る関係者)との見方もある。

建て替え事業の注目点は、坪2億円超という過去の取引価格だけではない。テナント誘致の依頼を受けた仲介業者によれば、新ビルの1階店舗区画の募集賃料は1坪当たり月額40万円。立地や区画が異なるため単純比較は難しいが、仮に成約すれば「銀座では過去最高の水準になるだろう」(地元仲介業者)。

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