エイチ・ツー・オー リテイリングとの統合の行方が再び不透明となった関西スーパー。神戸地裁は何を問題視したのか(記者撮影)

関西の小売り連合の誕生に、今度は司法の"待った"がかかった。

兵庫や大阪で食品スーパーを展開する関西スーパーマーケットと、同社の筆頭株主で阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)。両社の経営統合案が、10月29日の臨時株主総会で可決された。

ところが関西スーパーの第3位株主で、首都圏を地盤とする格安スーパーのオーケーが11月上旬、「集計(方法)の疑義が判明した」として統合差し止めの仮処分を神戸地方裁判所へ申請。それが11月22日に認められたのだ。関西進出を狙うオーケーは、かねて統合案に反対し、否決されて中止になった場合に関西スーパーをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化する意向を表明していた。

同日夜、関西スーパーは「当社の主張が認められなかったことは誠に遺憾」とのコメントを発表。12月1日に想定していた経営統合を何とか実現させるべく、再審理を求めて11月24日に神戸地裁へ異議を申し立てた。

オーケーが指摘した疑義、そして地裁までもが"待った"をかける異例の展開の引き金は、ある1株主の票の取り扱いだった。

否決が可決にひっくり返る

「非常に僅差です」「今しばらくお待ちください」――。

総会当日、兵庫県伊丹市内のホテルの会場では、議長である関西スーパーの福谷耕治社長が釈明の言葉を繰り返した。結果の公表は当初の予定時刻から何度も後ろ倒しされ、出席していた株主の間にも徒労感が広がっていた。

総会終了後にメディアの取材に応じた関西スーパーの福谷社長(右端)。総会の議長を務め、株主に対し「用紙にマークを記入しないで提出した場合は『棄権』と扱う」と何度も呼びかけていた(記者撮影)