秋田港に並べられたトランジションピースなどの基礎部材(写真:秋田洋上風力発電)

冬が近づき、日本海からの寒風が強まる秋田港。防波堤の外側の海面から13本の黄色い杭が頭を出している。2022年4月ごろから同年秋までに、この杭に13基の洋上風車を据え付ける工事が行われ、22年内にも発電が始まる予定だ。

事業を手がける秋田洋上風力発電の岡垣啓司社長は、「日本で初めての商業ベースでの洋上風力発電プロジェクトとしてぜひとも成功させたい」と言葉に力を込める。

秋田港および能代(のしろ)港の港湾区域で展開されるプロジェクトの総事業費は1000億円に上り、計33基の風車による発電容量は一般家庭約13万世帯の消費電力量に相当する約14万キロワット(140メガワット)。国が再生可能エネルギー大量導入の切り札として位置づけてきた洋上風力が、秋田で本格スタートする。

「会議も記録文書も英語」

「ここまでこぎ着けたのには、秋田県や地元自治体のリーダーシップが大きかった」と岡垣社長は指摘する。国が導入に向けて旗を振るはるか前の14年12月、秋田県は港湾管理を担う秋田港および能代港の港湾区域内における洋上風力発電事業者の公募を開始。翌15年2月に大手商社の丸紅が採択され、16年4月に同社の出資により秋田洋上風力発電が設立された。そこに大森建設など県内7社を含む12社が加わり、洋上風力の商用化をリードする布陣ができた。