国際通貨基金は2021年10月に公表した国際金融安定性報告書で「暗号資産エコシステムにおける金融安定の課題」と題し、解説に1章分を割いた(編集部撮影)

「気持ち悪いくらい予想が当たっている」。金融界の動向を長年分析してきたマネックス証券チーフ・アナリストの大槻奈那氏が、思わずそう口にする相場予想サイトがある。「The Economy Forecast Agency(EFA)」だ。

同サイトでは、ビットコインなど暗号資産の5~15年後までの予想価格が「独自分析」に基づき掲載されている。2021年3月に掲載されていた予想価格を大槻氏が改めてみると、その後のビットコイン価格の推移はチャートの波動を含めてほぼ一致していた。

ドル建てのビットコイン価格は、11月に6万8900ドルの史上最高値をつけたばかり。同サイトは12月に7万ドル台をつけ、2022年の年末には14万ドル超の水準に達することを予想する(11月16日時点)。大槻氏もさすがにこの予想には首をかしげる。先行きは金融当局の規制動向に左右されると考えるからだ。

国際機関が注目する暗号資産

一時は完全に下火になっていた暗号資産の価格が2020年から再び値上がりする中、その動向への注目度は国際的に高まっている。

各国の為替政策の監視などを行うIMF(国際通貨基金)。半年に1度まとめる「国際金融安定性報告書」の2021年10月版は暗号資産に一章を割いた。その主題は「暗号資産ブームが金融の安定性に新たな課題を突きつける」というものだった。

報告書は、革新的な金融サービスなどをもたらすと暗号資産を評価する一方で複数のリスクを指摘した。その1つが「安定した(ステーブル)」という言葉を冠する「ステーブルコイン」をめぐるものだ。