ある新薬候補の開発中断発表が株式市場の売りを招いた(撮影:今井康一)

製薬最大手・武田薬品工業の株価が振るわない。

きっかけは、開発中だった睡眠障害の新薬候補「TAK-994」の臨床試験の中断だ。10月6日にこれを発表した翌日以降、株価は一時10%以上値を下げ、3000円台前半の推移が続く。

株式市場がネガティブな反応を示したのは、TAK-994が武田の今後の成長にとって非常に大きな意味を持つ新薬候補だったからだ。

大型化が期待されていた

武田薬品は現在、2024年度までの承認取得を目指して10以上の新薬候補を開発中だ。これらの新薬による売上高はピーク時には最大合計1兆円を超える、と説明してきた。

そのうち6000億円以上は「ナルコレプシー」という睡眠障害の薬が占める見通しだ。この病気をターゲットに現在3種類の新薬を開発する中、今回治験が中断になったTAK-994は最も開発ステージが進んでいる飲み薬だったこともあり、3つの中では中心的な存在だった。