エンタメが人をつなぐ 推しはメインカルチャー Re entertainment 代表取締役 中山淳雄氏に聞く

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なかやま・あつお 1980年生まれ。東京大学社会学修士、カナダ・マギル大学経営学修士。DeNAなどを経てバンダイナムコスタジオで海外ゲーム開発会社を設立。ブシロード執行役員。早稲田大学MBA経営学講師。7月より現職。(撮影:今井康一)
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アイドルや俳優、アニメなどのキャラクターを熱狂的に応援する「推し活」が盛り上がっている。2000年代のオタクたちによる「萌え」は対象への内的な感情を示すのに対し、「推し」はグッズ消費や情報発信を通じて対象を応援する外的な行動だ。変遷するエンターテインメント消費を分析し、拡大の可能性を探る。

世界で追い風生かせぬ日本 お手本は仏LVMHの経営

──コロナ禍で、余暇はネットで動画を視聴する、ゲームをして過ごす、という人が増えました。

ライブや劇場公演、映画といったリアルなエンタメの営業が制限される中、家で時間を潰せるものとして、半ば強制的にデジタルエンタメへのシフトが起きました。エンタメのデジタルシフトにはあと5年はかかるとみていましたが、楳図かずおの『漂流教室』さながら、突然5年後にタイムスリップしたかのようです。米国のデータですが、コロナ禍前後で人々のゲームのプレー時間は3割増え、動画配信などのビデオ視聴には週平均20時間も費やされています。

──日本ではアニメ『鬼滅の刃』がヒットし、会社の上司や政治家までもがキャラクターのセリフを引用するまでの社会現象に。

こうしたメガヒットが登場するのは人々の精神が普通ではないとき。例えば、オウム真理教の地下鉄サリン事件の年に『新世紀エヴァンゲリオン』が生まれました。『鬼滅』は19年にテレビ放映された時点でもヒットはしていたが、20年にメガヒット化したのはコロナ下の人々がほかに代替の利かないエンタメとして押し上げたからだとしか考えられない。

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