トヨタがパナソニックと運営する電池の合弁会社、プライム・プラネット・エナジー&ソリューションズ(PPES)の加西工場(兵庫県)と同社のリチウムイオン電池(写真:PPES)

世界の自動車メーカーの間で今、熾烈な“電池争奪戦”が起きている。

9月末、アメリカのフォード・モーターが発表したのは約1.3兆円を投じてアメリカに2つの製造拠点を建設するという計画だ。うち約6500億円を電池工場に振り分ける。10月には、欧米系のステランティスに続き、トヨタ自動車もアメリカに電池工場を作ると表明した。

脱炭素政策のもとでEV(電気自動車)などの電動車シフトを進める自動車各社にとって、どの電池メーカーと組み、どれくらいの量の電池を確保するかは電動化計画そのものを左右する重大事だ。

強気の電池メーカー

矢野経済研究所の調査によると、車載用に主に用いられるリチウムイオン電池の世界市場は2030年に、2020年の約4.5倍となる約760GWh(ギガワット/時)まで拡大する見通し。電池メーカー各社は毎年増産計画を発表している。ただ、彼らのラインを自社のために確保するには、難しい交渉が必要となる。

ある自動車メーカーの渉外担当者はこう打ち明ける。「今、電池メーカーは強気ですよ。電池メーカーが発注元を選ぶ。条件として、投資をしてくれ、前払いをしてくれ、年間契約で購入量を保証してくれなど、いろいろと条件をつけてくる。それがのめないのなら売らないぞ、と」。