アジア開発キャピタルグループが8%強保有していることを示す大量保有報告書。突如現れた謎の筆頭株主に東京機械は動揺した(編集部撮影)

東証1部上場で国内最古の新聞輪転機メーカー・東京機械製作所が、同社の経営をめぐり東証2部上場のアジア開発キャピタル(ADC)と壮絶なバトルを繰り広げている。ADCグループは2021年3月30日、東京機械株の購入を開始。7月には保有比率が5%を超え筆頭株主に浮上、現在は4割近くを握っている。

本件が全国的に注目を集めたのは、読売新聞社や時事通信社など全国の新聞・通信40社が共同で懸念を示したからだ。「(東京機械の)日常の業務運営に乱れが生じるようなことがあれば、新聞各社の日々の印刷・生産体制にも支障が生じ、それは読者へのニュースの伝達に影響が及びます」との声明を、9月10日に出している。

ただし、M&A関係者が注目している観点は別にある。それは、ADCへの対抗措置として東京機械が放った、かつてないほど強烈な買収防衛策の是非だ。

東京機械が今回導入したのは「ポイズンピル」といわれる買収防衛策。新株予約権を発行し、ADCらを含めたすべての株主に無償で付与する。ただしADCらは「非適格者」と東京機械にみなされ、予約権を新株と交換する権利を行使できない。ADCら以外の株主に同権利を行使してもらえば、ADCらの保有割合は低下する、という仕組みだ。

10月22日に開催される臨時株主総会において、これを発動できるようにすることが承認されようとしている。加えて、ADCは現在東京機械の約4割の株式を持つにもかかわらず、「議案の当事者だから」という理由で、この臨時総会での議決権の行使を認められていない。

アルゴ取引で「5%超え」

東京機械は1888年に国から農機具工場の払い下げを受けて創業した老舗だ。1906年に国産輪転機第1号機を完成させた。三菱重工業と伍し、国内最大のシェアを誇る。国内で稼働する約430台の新聞輪転機のうち、182台(約4割)が東京機械製だ。