左から山本恵朗・富士銀頭取、杉田力之・一勧頭取、西村正雄・興銀頭取(撮影:高橋孫一郎)

「組織として(リスク管理や危機対応が)本当にワークしているのか、もう一度よく考えるべきだ」

みずほ銀行による7度目のシステム障害を受けて、金融庁が検査期間中の業務改善命令という異例の処分を下した今年9月下旬。金融庁の幹部は、厳しい表情でそう語った。

金融庁は一連のシステム障害の原因について、技術的な問題点よりも、むしろみずほのガバナンス体制に目を向けている。システム障害発生前後の一連の稚拙な対応の裏側に、経営陣と現場をつなぐパイプの目詰まりや断絶があるとみているからだ。

なぜそうした目詰まりが起きるのか。背景には、日本興業銀行、富士銀行、第一勧業銀行の旧3行が合併し、みずほフィナンシャルグループ(FG)が誕生してから現在に至るまで、組織をむしばむさまざまな“病巣”が存在している。

イタリア人、フランス人、ドイツ人──。これは、旧3行の英語表記の頭文字「I」「F」「D」を使った出身行を表す隠語だ。みずほと取引のある企業の幹部は宴席の場で、みずほの役員がこの隠語を使い「イタリア人とは話が通じない」などと管を巻く姿を何度も見ているという。

内ゲバ同然の内部抗争

これこそが、病巣の1つである「旧行意識」だ。みずほは誕生以来、旧3行の出身者がそれぞれ出身行の地位と影響力を維持しようと、内向きな縄張り争いを繰り広げてきた。