とかく実家の片付けといえば、時間も手間も金もかかって面倒が多いもの。親子で価値観が衝突することも多い。ここでは実際に体験した4人のケーススタディーを取り上げてみたい。

Case1|近所と折り合いが悪かった祖父、田舎の人間関係に自分も悩む

イラスト:高柳浩太郎

帰ると近所の苦情、開き直って持久戦

──田辺圭子さん(40代・女性)

広島県福山市に住む田辺圭子さん(仮名)は目下、夫の祖父の実家の片付けに取り組んでいる。すでに祖父の妻と実子は亡くなっているため、孫である夫と自分に、介護と看取り、そして相続のお鉢が回ってきたのだ。

祖父は同じ広島県内の山間部の農家で一人暮らしをしてきたが、90歳に迫る高齢で体の自由が利かず、田辺さん夫婦が暮らす福山市の介護施設で、しばしば世話を受けるようになった。「最後は救急搬送され、そのまま病院で亡くなったので、最初の片付けは祖父の家の冷蔵庫の中身から始まった」という。2017年のことだ。

昔からの農家なので敷地面積が100坪もある。おまけに蔵、倉庫まで併設され、収納スペースには事欠かない。「早くに妻と子どもを亡くしたためか、祖父は自活心が強く、服や日用品をたくさんため込んでいた」(田辺さん)。