(cba / PIXTA)

空き家の多くは、親が持ち家から介護施設に入居したり、相続後の実家を子が当面放置したりすることから始まっている。先祖代々の土地や家を引き継ぐことが当然だった時代とは違う。戦後の持ち家政策と核家族化で実家を離れた子は、相続時にはすでに自分の家を購入済みで、実家に住むケースが少なくなった。

日本は団塊世代が75歳を迎える2025年問題によって、団塊世代だけでなく団塊ジュニア世代も実家の相続が同時発生するという、「大量相続時代」が始まる。

今後、団塊ジュニア世代は、残された親と自分の実家という、何戸もの空き家を抱える可能性もある。周辺に悪影響を及ぼす荒廃中の空き家に対しては、市区町村が空き家対策特別措置法に基づき対処してきた。高齢者のみが住む家は“空き家予備軍”と捉え、これ以上、空き家を増やさない取り組みに力を入れるべき時期だ。

最新の18年の総務省「住宅・土地統計調査」によれば、高齢者のみ世帯が住む戸建て住宅(=空き家予備軍)は約829万戸で、戸建て総数に占める空き家予備軍の割合(=空き家予備軍率)は28.8%にもなっている。前回13年調査では約720万戸(25.2%)と、5年間で109万戸(年平均21.8万戸)も増加した。

21年3月に閣議決定された政府の住生活基本計画の成果指標には、売却用・賃貸用・別荘などを除いた349万戸のその他空き家(18年)を、30年時点で400万戸程度に抑える、という目標が掲げられた。年平均に換算すると、4.2万戸程度しか増やせない。

が、国の住宅政策の目標を達成するには、実家の相続が発生する際、少なくとも8割程度はとりあえず空き家のまま置いておくのでなく、中古住宅として流通や賃貸、解体に向ける必要がある。

世帯減の地方は売却難

今回は全国において地方別に市区町村の「空き家予備軍率」ランキングをまとめた。