豪州軍がAUKUSの枠組みで原子力潜水艦の建造を計画。米英陣営と中国との対立が深まっている(Leo Baumgartner/Australian Defence Force via The New York Times)

中国が軍事大国へと変貌を遂げる中、インド、ベトナム、シンガポールは防衛予算を拡大し、日本もそうした傾向を強めている。そしてこのほど、米国と英国の後ろ盾を得た豪州がアジアで中国との軍事競争を加速させたことで、同地域の緊張は新たな局面に突入することになった。

豪州は先日、中国海軍への対抗力を高めるべく、ステルス性能が高く航続距離の長い原子力潜水艦を米英の支援で導入する契約を交わした。潜水艦の実際の導入はかなり先になる予定だが、アジアの軍拡競争はそれを待たずして過熱するおそれがある。

今回の件を受け、中国は軍備の近代化を加速させるとみられる。とくに今回の潜水艦に対抗する技術に力を入れてくるだろう。さらに今回の契約は、アジアにおいて米バイデン政権が本気で中国の軍事力と対決する決意であることを裏付けるものである。インドやベトナムなど多額の軍事支出を行っているアジア諸国が、軍備拡張を急ぐきっかけとなるかもしれない。