外環道の工事では沿線住民の要望で緊急時の手順も掲げられた(記者撮影)
東京・調布市の東京外かく環状道路(外環道)での陥没事故を受け、原則として地権者の同意・補償なしに地下深くの工事を認める「大深度地下の公的使用に関する特別措置法」(大深度法)の是非が改めて問われている。
事業主体である東日本高速道路(NEXCO東日本)が事故後につくった有識者委員会は、「特別な地盤で不適切な工事が重なったことで陥没事故が起きた」としている。
今回の調査結果をどう受け止めるべきなのか。また、2022年3月までに試験掘進が始まるリニア中央新幹線の工事で影響は出ないのか、地盤工学に詳しい日本大学理工学部の鎌尾彰司准教授に聞いた。

事故現場は特殊な地盤だった

――外環道の陥没事故を受け、リニア沿線の住民からも不安の声が聞かれます。外環道事故の有識者委員会の報告では、陥没現場は特殊な地盤であり、そこで作業ミスが重なったと結論づけました。第三者の専門家から見て、なぜ特殊地盤を見抜けず、作業ミスまで起こったと考えますか。

調査報告書が事故現場の地盤を「特殊」だというのは、砂の粒子よりも小さいシルトや粘土の粒子が含まれない砂の層だということを言っている。事故が起きた場所は多摩川に近く、地下水の流れも豊富で、粒子の小さいシルトや粘土の粒子が砂の粒子の中を流れてしまったせいなのか、それ(シルトや粘土)が(見当たら?)ない。

砂は握っても固まらない。作業ミスによる土砂の取り込みすぎで、ぎゅっと押さえ付けられていた硬い砂が解放されて地盤の緩みが上方に拡大し、連鎖反応が起きて陥没や空洞ができた。