大深度法が適用されるリニア中央新幹線の工事でも反対運動が起きている(2021年6月、記者撮影)
東京・調布市の東京外かく環状道路(外環道)工事での陥没事故を受け、いわゆる大深度法の是非が問われている。
同法では原則、地権者の同意・補償なしに地下深くの工事を認めている。だが、「地上への影響はない」としてきた国会答弁などに問題点はないのか。
大深度法の基礎になったのは、1995年に設置された大深度地下利用調査会だった。それは1995年に調査会設置法案を議員立法したことに端を発している。議員立法を発案し、旧国鉄出身で法務大臣も務めた野沢太三元参議院議員に、大深度法を立法した真意を聞いた。

トンネル用地の全部買収は不合理だ

――大深度法の基礎になった調査会を1995年に発案されたのは、どのような思いからだったのでしょうか?

僕は大学を出て国鉄に入り、トンネルの仕事からキャリアをスタートした。札幌鉄道管理局札幌工事事務所に配属され、辺富内線日振トンネルの完成のメドをつけてくれということで、最初に山トンネル(山岳を貫くトンネル)を勉強した。

その後、信濃川工事局土合・土樽工事区長として上越線の新清水トンネル建設を一から担当した。標高1900メートル近くある谷川岳の下、(標高)500~600メートル付近にトンネルを通す。土かぶり(地中の構造物の上部面から地表面までの高さ)は1200メートルくらい。それくらいの大深度だった。

そこで気づいたのは、明治時代から鉄道マンの先輩たちはトンネル用地を全部買うのは不合理だと考えていたこと。大きな山を上まで買っても意味がない。買うほうも大変だし、買われるほうも自分の土地のなかに(鉄道当局の)トンネルの細長い土地が入りこむことになって具合が悪い。