有料会員限定

「新しいエコシステムに挑み、車の未来を牽引していく」 インタビュー/トヨタ自動車取締役 ジェームス・カフナー

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21
拡大
縮小
カフナー氏は「私に期待されているのは、トヨタに異なる視点をもたらすこと」と述べた(撮影:尾形文繁)

特集「EV産業革命」の他の記事を読む

自動車業界は今、大変革のただ中にある。欧米メーカーはこぞってEVシフトを宣言。米グーグルや米アップル、台湾の鴻海(ホンハイ)など、異業種の参入で産業構造が変わり始めている。

トップメーカーのトヨタ自動車は変化の波に乗り、王者であり続けられるのか。次世代技術開発のカギを握り、次期社長の呼び声が高いジェームス・カフナー氏に聞いた。

──世界でEVシフトが進む一方、トヨタはハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)を含めた全方位の電動化を掲げています。

忘れてはいけないのは、電動化の目標はカーボンニュートラル(以下、脱炭素)であり、EV自体が目的ではないということだ。EVが脱炭素を加速させ達成する道の1つであることは確かで、私はエキサイティングな方法だと思っている。ただ、世界中のモビリティの未来を考える方法はほかにいくつもある。

1つ例を挙げよう。EV1台分のリチウムイオン電池があれば、プラグインハイブリッド車(PHV)を3台製造できる。PHVは(EVモードで約100キロメートルの走行ができるため)通勤による移動需要の90%を排出ゼロにすることができる。このように、トヨタは脱炭素に向けて新技術を用いた多面的なアプローチをしていく。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
EV産業革命
脱炭素のメインはやはりEVを選択すべきだ
大手メーカーの出資先でも玉石混淆
中国、欧州の新興勢が急成長
「自動車界のインテル」に名乗り
Part3 CASE革命の挑戦者|EVの造り方を根本から変える
EV用モーターで世界覇権狙う
「最初の一台」に最適なのはコレ!
価格帯を広げ、欧州へ輸出も
「EVは儲からない」を覆した
ネックは販売価格と航続距離
中古リーフを20万円で投げ売り
「脱エンジン」で売り上げ急減
Part2 EVシフトの激流|事業体制の転換は待ったなし
CO2削減のカギ握る重要領域
トヨタの「ミスター自動運転」に聞く
ソフトウェア更新で収益源開拓
Part1トヨタの模索|「水素エンジン」は章男社長の肝煎り
世論喚起狙うオウンドメディア
インタビュー/トヨタ自動車取締役 ジェームス・カフナー
大きく変わる産業構造
EV産業革命
自動車立国の岐路
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内