新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、私たちのライフスタイルは一変した。リモートワークが定着し、毎日オフィスに通勤する必要はなくなった。友人との会食や接待の機会は減り、飲食店への来訪機会は激減した。実店舗での買い物の一部はインターネット通信販売に置き換わった。こうした変化は、「都市に住む意義」を失わせているように見える。

人々のライフスタイルの変化は、今後都市の形をどのように変化させるのだろうか。それに答えるためには、「そもそもなぜわれわれは都市に引きつけられるのか」、つまり都市の魅力の源泉について理解することが必要だ。

何が都市の魅力を生むか

これは、経済学における根本的な問いとして150年前から問われてきたものでもある。端緒を開いた英国の経済学者アルフレッド・マーシャルは、都市の魅力として、人々の交流がもたらす知識や情報の波及、原材料の調達や分業・人材確保の利便性といった、主に生産面での魅力を強調した。これらに関しては、政府統計を中心にさまざまなデータが存在し、その検証が早くから進んできた。

一方で、会食や買い物などの利便性は、やはり都市の魅力でありながら、データの不足もあり、その検証がこれまで困難だった。そんな状況が、近年の大規模データの利用可能性によって大きく変わりつつある。