日本共産党が、同党の基本的な革命戦略であった「敵の出方論」を封印するのに腐心している。共産党にとってこの問題を乗り越えるのが現下、最大の理論的課題になっているようだ。〈共産党の志位和夫委員長は(9月)8日に党本部で開いた中央委員会総会で、党内で1950年代以降に使われた「敵の出方論」という表現を使用しない方針を表明した。公安調査庁はホームページで共産党について「革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方によるとする『いわゆる敵の出方論』を採用」と説明し、暴力革命の可能性を否定していないとの見方の根拠になっていた。/志位氏は「共産党は社会変革の道筋に関して過去の一時期に『敵の出方論』という説明をしたが、どんな場合でも平和的、合法的に社会変革事業を進める立場だった」と強調。「ねじ曲げた悪宣伝に使われる。この表現は使わないことを明確にしたい」と述べた。2004年の綱領改定後は使用していないという。/政府は16年3月、「共産党のいわゆる『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識している」との答弁書を閣議決定した。志位氏の発言は次期衆院選を控え、こうした見方を打ち消す狙いがあるとみられる。【田所柳子】〉(9月8日「毎日新聞」電子版)