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国際紛争調停人が語る「最強の交渉術」 インタビュー/国際ネゴシエーター 島田久仁彦

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国際ネゴシエーター、KS International Strategies CEO 島田久仁彦(しまだ・くにひこ)1975年生まれ。98年から国連の紛争調停官としてコソボなどの紛争解決に従事。紛争地での人権保護、女性の権利向上、アフリカ開発などの調停も行う。著書に『交渉プロフェッショナル 国際調停の修羅場から』など。(撮影:尾形文繁)

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国連の紛争調停官として、コソボ、東ティモール、イラクなどの紛争調停に携わったのが島田久仁彦氏である。数々の紛争地域で威力を発揮した交渉術について島田氏に聞いた。

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──国連でのコミュニケーションの苦労は?

最初は割り増ししてものを話す癖があった。そうしないと認めてもらえない。2割増しで話していた感覚だが、周りもわかっていた。お互い人種などが違うので、一生懸命に話の裏を取る。少しずつ「おまえできないじゃないか。そんなわけないだろう」という雰囲気になり、つじつまの合わないことが増えていった。

「いろいろ調べてみたが、僕が正しいんですよ」とまくし立てる。でも相手は僕が一方的に思い込んでいる話を聞きたいわけではない。あるとき、父親や上司からアドバイスをもらった。「一度、人の話を最後まで聞いてみろ」とね。

1回、ひざの上に手を置いて、ギューッと握りしめて我慢してみた。そして、最後まで話を聞いてみたら、「あれ? 思っていた話と全然違うわ」と気づいた。人の命を扱うような仕事をしていたので、書く内容、話す言葉一つで下手したら1つの街が吹っ飛んでしまう。自分はなんて愚かだったのかと後々すごく反省した。

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