(Fast&Slow / PIXTA)

朗読は計り知れない恩恵をもたらす。言葉がスラスラ出てくるようになり、声もよくなる。語彙力や表現力、言葉のセンスも高まる。感情移入するので自然と表情も豊かに……。要するに、「話し方」が上手になりたい方にとっては、必要な改善要素がすべて盛り込まれているのが朗読だ

まず、朗読は音読とは違うことを理解してほしい。音読は文字を声に出して読むだけのいわば独り言。朗読は気持ちを込めて、相手に伝わるように抑揚をつけ、声の高低や大小の変化、速度に気をつけながら読む。人にいかに伝わるかを意識しながら読むもので、自分のための音読とはまったく異なる。

フリーアナウンサー ボイス・スピーチデザイナー 魚住りえ(うおずみ・りえ)元日本テレビアナウンサー。約30年のアナウンスメント技術を生かし「魚住式スピーチメソッド」を確立、ボイス・スピーチデザイナーとしても活躍。

腹式呼吸で「いい声」

ただ、気持ちを込めて読むといっても、実はそれだけでは相手に伝わらない。相手の心に響かせるにはコツが必要。それは何か。「魚住式メソッド」を紹介しよう。

まずは腹式呼吸。つやのある、密度の高い声を出すには、たくさんの空気を押し出して発声することが必要。空気の量が多いと口腔(こうくう)内で音が響き合う。腹式呼吸ができれば、漏れ出るような弱々しい声ではなく、はっきりした透き通った声に生まれ変わる。

腹式呼吸のやり方は、背中を壁につけ肩幅程度に足を開いて立つ。①片手をお腹(なか)に添えて腹筋に意識を集中させ、口から息を吐きながらお腹をゆっくりとへこませる。②息を吐き切ったら、鼻から息を一気に吸い込む。このときお腹を緩めるのと同時に腹筋を使い、お腹を膨らませる。これを繰り返す。