コロナ後を見据えたビジネスモデルの変革が急務だ。リーダー層は社員や顧客、取引先などに、それをどう話せば理解し協力してもらえるかに腐心する。ビジネスシーンにおけるコミュニケーションの悩みはまさに経営課題だ。「話し方」の種類・手段は以下の12に大別される。

特集では上記12のスキルを徹底解説。まずはスピーチ・プレゼンテーションにおける「話し方」から学んでいこう。

聞き手とつながるには「共感と信頼」が最重要

『世界最高の話し方』著者がリーダー層に向けた「話す力」の特別講義。

グローコム社長 岡本純子(おかもと・じゅんこ)「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。英ケンブリッジ大学院国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。1991年読売新聞社入社後に経済部記者。2001年退社後に米国でコミュニケーション術を学ぶ。帰国後にグローコム設立。(撮影:梅谷秀司)

リーダーの第一条件はコミュニケーション力

リーダーシップに最も重要なのがコミュニケーション力であり、話す力だ。8万7000人を対象にした米国のある調査では、リーダーが信頼されるには3つの要素が必要とされる。

1つ目がポジティブな人間関係力、2つ目が実行力、3つ目が決断力。日本では決断してそれを実行すれば、リーダーとして信頼されるとの認識が多いが、実はポジティブな人間関係構築力がまず大切だ。これがなければ信頼は築けないし、リーダーシップも発揮できない。

ポジティブな人間関係構築力とは、相手とつながること。重要なのが共感だ。相手の感情に寄り添う。とくにネガティブな感情に寄り添うことが必要。コロナ禍で不安や恐怖、孤独を感じている。その思いに寄り添って励まし、共感する力がまさに求められている。

ドイツのメルケル首相やニュージーランドのアーダーン首相など、女性リーダーの評価が高まっているのはそういった共感力の高さからだ。女性はひたすら感情のキャッチボールをしている。

伝える止まりではダメ

一方、男性はあまり感情と向き合うことをしないので、感情の言語化を苦手とする人が少なくない。菅首相も同様で、記者会見などの言葉が伝わらないのはそのためだ。感情と向き合わないのは世界的に男性に共通しているが、欧米の男性は伝える力、言語化する力を絶えず鍛えている。欧米のビジネスパーソンは会社帰りに、ストーリーテリング(物語を伝える)、即興劇、ボイストレーニングなどのワークショップに参加している。