中国「恒大集団危機」取引先8000社に走る激震 会社側は依然として「危機を乗り切る」と主張

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中国の大手不動産企業「恒大集団」の動向を世界中が注視している。背景にはいったい何があったのか。

中国恒大集団の本社ビルの前で座り込む投資家たち(写真:財新記者 郭現中)

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中国の不動産大手、恒大集団(エバーグランデ)の巨額債務問題が世界の金融市場を揺るがせている。恒大集団の2020年のグループ売上高は5072億元(約8.6兆円)と民間の不動産企業の中で最大手級だ。
高いレバレッジをかけた大規模住宅開発で飛躍的に成長を遂げ、買収したプロサッカークラブの運営やEV(電気自動車)、ミネラルウォーター事業などに多角化。一方、その負債総額は33兆円に膨張し、資産運用商品の償還遅延事件をきっかけに経営危機が顕在化した。
目先は社債などの償還ラッシュを乗り切れるかが世界から注目されている恒大集団だが、問題の根源には同社の極めて特異な資金調達構造があった。中国の調査報道メディア「財新」の特集はその暗部に切り込んでいる。特集記事の後編をお届けする。
前編:中国「恒大集団デフォルト危機」驚異の全内幕

中国の不動産ガリバー、恒大集団傘下の恒大金融財富管理(以下、「恒大財富」)は9月8日に、自社で販売していた理財商品(資産運用商品)の償還を延期すると発表し、数十万人の投資家たちが一瞬にして大混乱の渦に巻き込まれた。

恒大財富は8~9月に、100億元(約1700億円)を超える資金を各地の請負業者に輸血した。これは請負業者がすでに事業停止状態に陥っているためだ。

請負業者はすでに事業停止状態に

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