就労を目的にした偽装留学生は、狭い部屋にすし詰めで住む。コロナ禍でも密な環境だ(撮影:取材先関係者)

日本で最も人権が守られていない外国人は誰か。それは出稼ぎ目的で、留学を装いアジア新興国から来日する「偽装留学生」たちである。

留学生は「週28時間以内」の就労が認められている。そこに目をつけ、偽装留学生は「留学」を出稼ぎに利用しようとする。だが、逆に日本で都合よく利用され、さまざまな人権侵害を受ける。その状況は外国人技能実習生よりもずっと悲惨だ。

留学生は2012年末の18万0919人から19年末の34万5791人へと、2倍近くに増えた。政府の「留学生30万人計画」によって、アジアの留学生が急増したからだ。ベトナム人留学生は8811人が7万9292人と約9倍に、ネパール人留学生は4793人から2万9417人と約6倍になった。その多くは偽装留学生である。

日本への留学には、日本語学校の初年度分の学費や寮費、留学あっせん業者への手数料などで150万円前後が必要となる。その費用を偽装留学生たちは借金して来日する。

留学費用を借金に頼るような外国人は、本来、留学ビザの発給対象とならない。だが、その原則を守っていては留学生は増えず、30万人計画も達成できない。そこで政府は原則をねじ曲げ、ビザの大盤振る舞いを続けてきた。からくりはこうだ。