日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほ情報総研主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

7月に公表となった2021年版『厚生労働白書』では、「新型コロナウイルス感染症と社会保障」をテーマに、感染症が国民生活に与えた影響や、各種対策の国際比較などが示された。その中で、課題の1つとして挙げられたのが「社会保障におけるデジタル技術の実装化」だ。

折しも、デジタル政策の司令塔となるデジタル庁が9月に発足した。以下では、白書などを参考にしながら、コロナ禍での経済対策を振り返り、社会保障分野におけるデジタル化の必要性と課題を考えていく。

まず、感染拡大時から20年12月までの1年間に実施された日本の主な経済対策は事業規模で約191兆円に上り、リーマンショック時の1.5倍になった。また、20年12月末のIMF(国際通貨基金)の推計によれば、「政府支出」と「融資等」による日本の経済対策支出(GDP〈国内総生産〉比)は44%に上り、ドイツ(39%)、英国(32%)、フランス(24%)、米国(19%)、カナダ(19%)に比べて、最も高い水準であった。