ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算 協業の狙いはクール便の配送以外にもある

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

業界首位を走るヤマトの原動力となっている領域を佐川・日本郵便連合で狙いに行く。

記者会見に臨む佐川急便の本村社長(左)と日本郵便の衣川社長(写真:編集部撮影)

特集「EC物流狂騒曲」の他の記事を読む

EC(ネット通販)荷物を囲い込もうと猛攻勢をかける業界首位に対抗すべく、宅配大手2社が連携強化に踏み切った。

9月10日、宅配業界2位の佐川急便・本村正秀社長と3位の日本郵便・衣川和秀社長が記者会見し、小型荷物の宅配やクール便の取り扱いなどでの協業に基本合意したと発表した。日本郵便の衣川社長は「競争分野を残しつつも、足りない部分を相互補完し、安定した物流サービスを提供していきたい」と語った。

両社は2004年ごろからメール便の分野で提携していたが、今回の協業によって領域が広がる。まず2022年1月以降をメドに、日本郵便が取り扱うクール便の配送の一部が佐川に委託される。これまで日本郵便は「大口顧客のクール便のニーズに対応しきれずにいた」(日本郵便の衣川社長)が、佐川の配送網を活用することで、投資コストを抑えつつもクール便を強化できるというわけだ。

次ページ日本郵便からのアプローチ
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
EC物流狂騒曲
ヤフーの出店者が驚いたヤマトの格安配送
破格の配送料金に中小の物流業者は困惑
ヤマトの「サクセスストーリー」に残る懸念
過去最高益を更新し自信を深める
“ヤマトと心中"ヤフーのEC責任者が激白
物流強化でアマゾン、楽天を追撃
楽天とのタッグに透ける日本郵便の焦り
「万年3番手」を返上できるか
アマゾン「物流のドン」退任が招く波紋
物流の自前化で「脱ヤマト依存」が加速
楽天、物流事業で浮上した運送会社との訴訟問題
自前物流網の強化を急いだが、またも空振りに
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
協業の狙いはクール便の配送以外にもある
「脱・大手」の兆し?新興サービス相次ぐ宅配大混戦
3PL大手や中小運送会社が独自配送網を構築
M&Aを連発!「物流の革命児」が宅配強化の思惑
中小運送会社も続々買収、業界再編で台風の目
全国データでわかる「宅配争奪戦」の現在地
愛知は軽貨物の事業者が4年で5割近く増加
アマゾンで格安配送、ヤマトの攻勢が止まらない
同業他社からは「いずれ限界が来る」との声も
再配達防ぐ!マンション「置き配問題」解決の鍵
デベロッパーや、宅配大手、アマゾンも熱視線
メルカリが「物流」で猛攻、新会社立ち上げの必然
業界のベテランを幹部に招聘、配送代行にも本腰
「物流を科学する」メルカリ新会社キーマンの野望
ヤマト・アマゾン出身、業界のベテランに直撃
アマゾンが頼る「物流の黒子」が同業を買う必然
アマゾンとのパイプ強化を狙うがリスクも
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内