格安「オーケー」vs百貨店「H2O」、買収合戦の混沌 関西スーパーをめぐる駆け引きは5年前から

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関西スーパーマーケットは筆頭株主であるエイチ・ツー・オー リテイリングとの経営統合を発表した。が、第3位株主のオーケーはこれに反対。さらに自社がTOBを行う”代案”まで開示した。背景に何があるのか。

関東で急速に勢力を拡大するオーケーと、関西で知名度の高い阪急阪神百貨店などを傘下に持つエイチ・ツー・オー リテイリング。関西スーパーマーケットを巡る東西対決はどちらに軍配が上がるのか(写真左、今井康一撮影 写真右、編集部撮影)

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「誠実とはいえない」「困惑しております」「大変残念でございます」

東京や神奈川などで格安スーパーを131店舗展開する非上場企業のオーケーは9月3日朝、創業者である飯田勧会長と二宮涼太郎社長の連名でプレスリリースを公開した。書面には上記のような、苦言ともとれる表現が何度も登場する。

これはオーケーが7.69%出資するスーパー業界中堅・関西スーパーマーケットの”買収攻防戦”を巡ってのものだ。

8月31日、阪急阪神百貨店の親会社であるエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)は関西スーパーとの経営統合を発表した。もともと関西スーパーに10.66%を出資していたH2Oが株式交換によって58%出資の親会社となり、関西スーパーはH2O傘下の中堅スーパー2社(イズミヤ、阪急オアシス)を子会社化し、中間持ち株会社として上場を維持するというスキームだ。

”関西連合”の実現に立ちはだかった壁

H2Oは主力の百貨店事業がコロナ禍の逆風にさらされ、前2021年3月期は247.9億円の純損失を計上。2期連続の大赤字となった。コロナ禍が収束したとしても、今後百貨店業界が大きな成長を見込めない中、髙島屋をはじめ百貨店大手は都心に保有する不動産を活用したビジネスに活路を見出している。

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