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日本株劣勢は長期トレンド

菅義偉首相の退陣表明に、株式市場は連日の大幅高で応えた。東証株価指数(TOPIX)は31年ぶりの高値を記録。「政策刷新への期待からリスクオンの動きが強まった」(外資系証券)。

日本の株式市場は今年2〜3月をピークに軟調展開が続いていた。一方、米国の株式市場は最高値更新が続き、日米株価指数の騰落率はワニの口が開いたように乖離が広がった。首相退陣決定を機に日本株の挽回が始まったのだろうか。

日本株が劣勢となった原因を考えると、第1に景気回復力の弱さがある。ワクチン接種の遅れなどから緊急事態宣言が長期化し、景気のもたつき感が強い。コロナ危機に対応した財政出動や金融緩和の規模でも米国に見劣りがする。

第2に、政府の行政能力に対する不信だ。菅政権下では感染収束と経済正常化に向けた局面打開の展望がなかった。内閣支持率は危険水域の30%割れとなり、今秋の衆議院総選挙に向けた政局流動化が市場の不安を助長した。

第3に、企業の収益力とバリュエーション(市場評価)の差がある。米S&P500指数ベースの2021年の1株益は19年の最高益を大幅に更新する見通し。予想株価収益率(PER)は21倍台で、株価純資産倍率(PBR)は5倍に近い。一方、TOPIXベースの21年度1株益は大幅に改善されるが、まだ最高益には届かない見込み。予想PERは約15倍で、PBRは1.4倍にとどまる。