与党有力議員がALPS処理水放出に反対する理由 菅首相の方針は約束違反で説明責任を欠く

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

福島第一原発から発生する放射性物質トリチウムを含む処理水(ALPS処理水)をめぐり、自民党のベテラン議員が政府方針に反対している。何が問題なのか。

東京電力・福島第一原発にあるALPS処理水のタンク(代表撮影)

特集「終わりなき福島原発事故」の他の記事を読む

自民党の山本拓・衆院議員(元農林水産副大臣)は、同党の総合エネルギー調査会会長代理を務める原子力発電推進派のベテラン議員だ。その山本氏が東京電力・福島第一原発事故で発生した汚染水を浄化処理した「ALPS処理水」の海洋放出に断固反対の論陣を張っている。
政府方針に反対する理由は何か。山本議員にインタビュー取材した。

菅首相は約束を反故にした

――山本議員はALPS処理水の海洋放出反対を明言しています。与党議員でありながら、政府方針にあえて反対する理由は何でしょうか。

政府や東京電力は2015年8月、福島県漁業協同組合連合会(福島県漁連)に対して、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」という文書を差し入れている。にもかかわらず菅首相は約束を反故にして2021年4月、海洋放出のゴーサインを出した。

福島県漁連のみならず、全国漁業協同組合連合会(全漁連)など多くの漁業関係者が「断固反対」を表明しているのは当然だ。

次ページ長期保管すべき
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内